第二次世界大戦の戦線にいた伝説的な戦場カメラマン、ロバート・キャパは、ナポリで学校の前にのびる列を目にしました。それはドイツへの抵抗運動に身を挺し、命を落とした少年少女らの葬儀でした。校内に安置された粗末な二十の棺からは可愛い足がはみ出していました。脱帽してカメラを取り出したキャパは最後の棺が運び出されるまで撮り続けました。戦争の真実に肉薄しようとしたキャパは60年前の5月25日、地雷を踏み40才の若さで逝きました。
東アジアでも劣化ウラン弾による白血病や癌で、子どもたちの小さな遺体が棺に納められてしまうのだろうかと思うのはつらいことです。「平和を願ういのちの音楽会」があり続けないこと事を願います。
(中日春秋26.5.25より)
平和を願ういのちの音楽会
実行委員 渡辺 のり子
平和を祈る、いのちを考える
お暑い中ご来館くださいまして誠にありがとうございます。
当演奏会は2003年のイラク戦争の頃より、平和をこころから祈る、そしていのちの尊さを真剣に考える音楽会として回数を重ねてまいりました。
近年、日本周辺を含む世界各地で不穏な衝突が繰り返され、時折軍靴の足音が聞こえてくるのが大変残念であり、こころが痛みます。いかにすれば世界が平和でいられるのか、二度の世界大戦の後、真剣に考えられていたはずの枠組みも各国の思惑のもと歪み始めています。私たちは常に平和を希求する立場で活動を続けて行きます。
本日イラクよりお客様をお迎えしております。ムタンナ・ハシム・ダウド医師とオマール・モハメド・ファロク医師です。お二人は当演奏会の寄付先である「セイブ・イラクチルドレン・名古屋」によりイラクより小児科医療研修のために来日されている方々です。イラク戦争にて傷ついたイラクの子どもたちのいのちを繋ぐ活動をされているセイブ・イラクチルドレン・名古屋と関わられている医師の皆様にこころより敬意を表します。
演奏会を開催するにあたり、出演者には無償でご参加いただいております。お忙しい中のご出演、誠にありがとうございます。
また、この演奏会は多くのボランティアスタッフで成り立っております。この場をお借りしまして御礼申し上げます。
最後までどうぞゆったりとお楽しみくださいませ。
平和を願ういのちの音楽会
実行委員長 大竹 広治
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